電子処方箋の導入にあたり、これまで紙で書かれていた処方箋が電子化され、オンライン上でやり取りされるようになります。より質の高い医療を提供するために導入されたシステムなので、これから医療機関や薬局で普及していくことでしょう。そこで本記事では、電子処方箋の導入目的やメリットを解説します。
電子処方箋の概要と導入目的
電子処方箋の導入目的や処方箋を受け取るまでの流れを解説します。
電子処方箋の概要
電子処方箋とは、電子化された処方箋のことであり、オンライン上でやり取りを完結できるシステムのことです。データとしてやり取りすることで、利便性の向上や業務の効率化などにつながります。日本ではまだまだ普及していませんが、アメリカやイギリス、オーストラリアなどでは一般的になっています。
電子処方箋を導入する理由
電子処方箋の導入目的は、より質の高い医療提供を可能にすることにあります。処方箋の内容はすべて「電子処方箋管理サービス」に保管されることになるので、患者さんの情報は全国の医療機関や薬局に共有されます。必要な情報を正確に素早く共有できるため、より安全な医療提供が可能になるでしょう。
電子処方の流れ
医師は電子処方箋管理サービスをとおして、患者さんの状態や調剤情報を確認し処方内容を決めます。処方内容を電子処方箋として登録したのち、電子処方箋管理サービスから医療機関に交付される引換番号が患者さんのもとへと通知されます。
薬局は、この引換番号をもとに対象の電子処方箋を確認し調剤を進める流れです。電子処方箋を利用するたびに、クラウド上でデータが保管・蓄積されていくので次回の診療時などに役立てられます。
電子処方箋の導入方法
電子処方箋を導入するにはオンライン資格確認が必要となります。顔認証付きカードリーダーの準備に加え、オンライン資格確認のポータルサイトでアカウント登録や利用申請などの手続きが必須です。
また電子署名する際に用いられる「HPKIカード」の申請が必要であり、発行までに数ヶ月ほどかかることがあります。申請手続きで必要になる書類は、発行申請書・住民票・身分証・医師免許証です。
電子処方箋を導入するメリット
ここでは、電子処方箋を導入することで得られるメリットをお伝えしたうえで、システムを導入する際の課題もあわせて解説します。
業務の効率化
電子処方箋は、医師と薬剤師の双方が登録データを確認できるため、患者さんへのヒアリングにかかる業務負担を軽減できます。また薬剤師から医療機関へのフィードバックにおいてもデータを見れば分かるので効率的です。
さらに、電子処方箋管理サービスからデータ取得することで、処方箋を入力する手間や印刷する時間をカットできるのも魅力です。ペーパーレス化にもつながるので保管スペースの確保にかかるコストもなくなり、業務が円滑に進むようになるでしょう。
情報共有が円滑になる
統一されたフォーマットでのやり取りになるので伝達事項を正確に伝えられます。また手書きで文字が読みづらい、処方箋の意図が分からないなどの問題が解決できるのも魅力でしょう。情報共有が進むことで、医薬品の相互作用やアレルギー情報なども管理できるため患者さんへの安全性にもつながります。
患者さんの利便性が向上する
患者さんが薬局や医療機関を変更しても、これまでの処方履歴を見るだけで情報を取得できるため、薬を受け取るまでの時間が短縮されます。また患者自身でスマートフォンから診療情報を確認できるので自己管理がしやすくなるでしょう。
電子処方箋の課題
業務の効率化や患者さんの利便性向上といったメリットがある一方でデメリットもあります。まだまだ日本では普及していないため、システムの構築までに時間とコストがかかります。
システム導入には、ソフトのインストールや各種手続きなどが必要です。まず何から始めれば良いのか分からないといった薬局も多いため、導入に踏み切れないところもあるでしょう。
場合によっては大幅にシステム機器を入れ替えたり、スタッフの研修費用がかったりすることもあるため一時的な負担の増大が懸念されています。
電子処方箋によって薬局選びが大きく変わる可能性がある
これからは電子処方箋が普及していくので薬局選びに変化が生まれるでしょう。処方箋予約ができるようになるので待ち時間の短縮につながります。待ち時間が短縮できるのであれば、患者さんはおのずと電子処方箋を導入している薬局を選ぶでしょう。そのため、導入していない店舗は利用人数が減り淘汰される可能性があります。
また新しいシステムに適用できない人も出てくるため、あえて電子処方箋を導入していない薬局を選ぶことも考えられます。どちらにせよ、患者さんの薬局の選び方に変化が生まれることは間違いないでしょう。
まとめ
本記事では、電子処方箋の導入目的や薬局・患者さんから見たメリットを解説してきました。電子処方箋とは、処方箋を紙でやり取りするのではなく、データとして電子化するシステムを指します。電子化することで患者さんの状態や処方履歴が一目で確認できるため情報共有しやすくなるのがメリットです。
またデータ取得することで、処方箋を入力する手間や印刷する時間をカットできるので効率化につながります。業務の効率化や質の高い医療を提供するために欠かせない取り組みなので、システムの導入を検討してみると良いでしょう。
-
調剤ミス・クレーム・業務過多でお困りですか?
そのお悩み、PICKING GOが解決します!引用元:https://cp.pickinggo.pdszero.com/患者の待ち時間を短くできる
タスクシフトを推進して生産性向上
予製機能で在宅医療対応ができる
最大30日間の無料お試しサービスで失敗知らず
30日間お試し利用可 公式サイトはこちら