【調剤業務】ピッキングのスピードアップのコツと間違えない方法を伝授

調剤業務には正確さとスピードが求められます。いかに工夫をして、患者数をこなせるかが重要です。限られた人員で、効率よく動けるようになりましょう。ここでは、ピッキングのコツを紹介しています。経験値の少ない薬剤師でもスピードアップして、即戦力になるでしょう。混雑が緩和されないことや、ミスが多く悩んでいる現場に必見です。

ピッキングをする際に欠かせないポイント

ピッキングは人命を左右するものであり、正確な判断が何よりも重要です。ここでは、現場で意識するべき優先順位を解説します。いかなる状況でも、以下を守るようにしましょう。

正確さ第一優先

医薬品を見間違えることや処方量を誤ることは、患者の人命や健康問題に影響します。急がなくてはならない状況でも、落ちついた確認が第一優先です。

薬剤師の任務として、正確なピッキングはなによりも求められます。また、スピード重視で済ませても、ミスでやり直しになっては時間の無駄です。ほかの薬剤師や患者に迷惑をかけないためにも、集中して正確なピッキングを行いましょう。

スピードは慣れたら取得

ピッキングを身体が覚えることで、徐々に早い動きが可能です。正確さの次にスピード感は重要なので、長期的に取得していきましょう。

また、経験値が浅い薬剤師や異動直後の薬剤師など、不慣れな人員がいる場合は注意が必要です。無理に焦らず、スピード感はチームワークで補いましょう。慣れた人員がスピードを意識して動くことで、不慣れな人員をカバーします。ミスを防ぎ、無駄な動きを無くすことは、スピードアップの底上げが可能です。

ピッキングをスピードアップさせるコツ

ピッキング作業は調剤薬局において非常に重要な業務のひとつであり、その正確さとスピードは薬剤師の業務効率に大きく影響を与えます。特に、薬の種類や数量が多い場合、手作業によるミスのリスクが増加し、患者への影響も懸念されます。そこで、ピッキング作業の効率とスキルを向上させるためには、いくつかの具体的な工夫が有効です。

作業環境の整備

調剤棚の配置や薬品の並び方を最適化することにより、薬剤師やピッキングスタッフが必要な薬を迅速かつ正確に取り出せるようにします。例えば、薬のサイズや使用頻度に応じて、取り出しやすい位置に配置するなどの工夫が考えられます。

また、頻繁に使用する薬品は手元に近い場所に配置することで、動作時間の短縮を図ることができます。

スタッフのスキル向上

新入スタッフに対しては、正確で迅速なピッキング作業を行うためのトレーニングが欠かせません。定期的な教育や指導により、スタッフのミスを防ぐための知識や技術を向上させることが可能です。さらに、薬剤師やスタッフがより多くの経験を積むことで、判断力や作業効率も自然と向上していきます。

デジタルツールの導入

近年ではデジタルツールの導入が、ピッキング作業の効率向上に大いに役立っています。例えば、バーコードリーダーを活用することで、薬の取り間違いや数量のミスを防ぐことが可能です。また、ピッキングリストのデジタル化により、作業の進捗をリアルタイムで確認し、迅速な対応ができるようになります。

調剤鑑査支援システムの導入

そして、最も効果的な方法として挙げられるのが、調剤鑑査支援システムの導入です。このシステムは、ピッキング作業の自動化をサポートし、手作業によるミスを大幅に減少させるだけでなく、薬剤師の負担を軽減します。
また、データの一元管理によって、ピッキング作業の効率が飛躍的に向上するだけでなく、トレース性が確保されるため、ミスが発生した際にも迅速な対応が可能です。結果として、患者に提供する薬剤の品質が向上し、薬局全体の信頼性が高まります。

このように、調剤鑑査支援システムの導入は、ピッキング作業の効率アップやスタッフのスキル向上に直結する効果的な手段です。薬局の運営をよりスムーズかつ正確に進めるために、こうしたシステムの活用が今後ますます重要になるでしょう。

ピッキングを間違えないコツ

ここでは、ピッキングを間違えないためのコツを紹介します。コツを取り入れるべき理由までを理解し、現場で実践していきましょう。

ミスを防ぐ工夫

正確にピッキングするには、確認作業を身につけましょう。まず、処方箋の確認を優先します。調剤支援票のみを頼りにすることは危険です。

調剤支援票は処方箋をもとに、事務スタッフの入力により作られています。万が一、入力ミスが起きた場合、医師の指示通りにピッキングが出来ません。そのため、原本である処方箋の確認は必須です。

また、調剤支援票は、医薬品名や収納場所などが記載されています。業務を効率よく進めるためのサポートになるので、補助的な活用をしましょう。

そして、薬品名には細心の注意が必要です。長く複雑なものや、似ているものが多々あります。また、剤型の違いもあるので覚えにくいでしょう。ミスをしそうになったときは、すぐにメモや付箋を書き、再発防止に役立てます。

注意すべきことが目にはいりやすいと、意識して覚えることが可能です。また、全体でよくあるミスを頭に入れておくことも良いでしょう。自身に経験が無くても、想定しながら行動することで慎重さが身につきます。

規格まで確認を

同じ医薬品でも今までと異なる規格で処方された場合、ミスが起きやすくなります。たとえば、1錠5mgから10mgに変化したときなど注意しましょう。薬品名の確認だけで手一杯になり、確認が怠りやすい箇所です。

また、一人の患者へ多種類の処方がされている場合も、見逃しやすいでしょう。さらに、調剤支援票の入力ミスが起きる可能性もあります。処方箋をもとに、最後まで緊張感を持ってピッキングしましょう。

調剤支援票と薬歴チェック

処方箋の表記が一般名のみの場合、ジェネリックの薬品名が分からない状態です。そのため、ジェネリック希望の患者には、調剤支援票を頼りにピッキングします。

しかし、調剤支援票が正しく記載されていない可能性もあるので、一度慎重になると良いでしょう。処方箋と確かに同成分であるか、見直す手間が必要です。

さらに、薬歴の確認もしましょう。処方箋に書かれていない情報にも意識が必要です。とくに、禁忌薬がある場合は、副作用や効果の減少が懸念されます。患者を守るために、細心の注意をはらいましょう。

また、処方箋で服薬方法の指示が抜けていることもあります。薬歴を見ることで、粉砕が必要な患者であるかも分かるので重要です。

チェックリストの活用

ピッキングした医薬品と処方箋を照合し、チェックリストを埋めていくと確実です。チェックリストには、医薬品名や数量などの必要項目を入れましょう。また、照合しやすくするための工夫が必要です。パッケージの向きを揃えることや処方箋にマーカーを引くなど、視覚的に分かりやすくしましょう。

まとめ

調剤業務はミスが許されない世界です。ピッキングの正確さは、薬剤師へ常に求められます。しかし、長時間の業務に、集中力がついていかないこともあるでしょう。

そこで、調剤鑑査支援システムの導入が効果的です。医薬品の種類や数量を自動で確認するシステムであり、薬剤師の負担が減ります。特に人員が少ない現場では活躍するでしょう。

また、ヒューマンエラーを防げるので、大きな安心感を得られます。ピッキングのスピードアップが課題となっている薬局におすすめです。