調剤薬局では日々たくさんの薬剤を取り扱っています。患者さんに間違いのないよう、かつスピーディーに薬剤を用意しなければならず、患者さんへの服薬説明や指導も行わなければなりません。調剤薬局では薬剤師以外のスタッフが働いている場合もありますが、薬剤師資格のないスタッフはどういった業務まで行ってよいのでしょうか。
薬剤師以外の事務員によるピッキングが増えている
調剤薬局では事務員がピッキングを行うケースが増えてきました。どういった場合に事務員がピッキングを行っているのでしょうか。
小規模の調剤薬局で行われている場合が多い
小規模の調剤薬局、個人経営の調剤薬局の場合、少人数の薬剤師、または薬剤師1人が在籍しているという場合が多いです。
薬剤師ひとりに事務員という形で店舗運営をしている場合、人手が足りていないことから事務員が受付やピッキングを行っていることが多いです。
事務員はどこまでが業務範囲なのか
薬剤師法によると、薬剤師以外は調剤をしてはいけないという決まりになっています。しかし薬剤師以外がピッキング、一包化された薬剤の数量確認などを行うことはグレーゾーンとされてきました。
しかし2019年に厚生労働省から都道府県などに通知された「調剤業務のあり方について」という文書により、一定の条件を満たせば薬剤師でなくても補助を認めるとされました。
そのため薬剤師以外にもピッキング、一包化された薬剤の数量確認などを行うことが可能となったのです。
これにより人手不足による薬剤師の負担軽減、医療の質の向上になるほか、調剤薬局の事務員、補助員のニーズが高まると考えられています。
薬剤師以外が手伝いをすることで発生する懸念
薬剤師以外が調剤現場で手伝いをすることで人手は増えますが、トラブルが発生する可能性もあります。どのようなトラブルが発生するかしっかり考えながら業務を行う必要があるでしょう。
過誤の危険性
薬剤師が1人しかいない薬局の場合、1人で薬剤を用意し最終的なチェックも自分が行わなければなりません。そのため慎重に確認作業をする必要があります。人手が少ないからといって薬剤師以外が調剤業務にかかわると、さらにミスがないか慎重に確認しなければいけません。
結果として薬剤師の確認作業にかかる時間が増えるほか、薬剤師の負担やストレスが大きくなるリスクが考えられます。万が一患者さんに間違った薬剤を渡してしまった場合、最悪命の危険も考えられます。
調剤鑑査支援システムの導入
調剤鑑査支援システムは薬剤の種類や数量に間違いがないか、監査業務を自動化できるシステムです。機械やシステムにより薬剤の確認ができるため、確認作業が大幅に時間短縮できるため薬剤師の負担も減らすことが可能です。
調剤鑑査支援システムにはさまざまな製品があります。コンパクトで設置しやすいもの、多機能なもの、さまざまな薬剤に対応しているものなどがあるので、いくつかメーカーのカタログをチェックするなどして環境に合ったものを導入しましょう。
薬局事務員がするべき調剤手伝い以外の業務とは
調剤薬局ではさまざまな業務があるため調剤手伝い以外の業務も多数あります。薬局事務員が担当する業務について解説します。
事務員の業務とは
受付では患者さんから処方箋を受け取り、当薬局を利用したことがあるかの確認や処方箋の期限が切れていないかなどを確認します。保険証の確認、コンピューターへの情報入力、レセプトの集計やレジ打ちなどの業務も対象です。
ほかにも医療品を棚や冷蔵庫に納める、薬をお薬カレンダーに入れる、在庫のなかった薬剤を患者さん宅に郵送するといった行為は事務員でも可能になっています。
わからないことは確認しよう
2019年に通知された「0402通知」で非薬剤師の業務に関して明確されました。調剤薬局事務員として働くのであれば通知の内容や薬事法などを確認し、自分がどこまで業務を行ってよいのか把握しておく必要があります。
最終的な薬剤の確認は薬剤師にゆだねられるとはいえ、患者さんの健康や命にかかわる仕事だということを強く意識して仕事を進める必要があります。
システムの導入で作業しやすい環境づくりが必要
調剤薬局では薬剤師以外も働きやすいよう、さまざまなシステムを導入し働きやすい職場に整える必要があります。調剤監査システム以外にも、在庫管理システムやオンライン面談システムで患者さんとオンラインで服薬指導できるシステムもあります。
システムだけでなく、データを電子化して紙の書類を確認する手間をなくすことも作業の効率化には有効です。薬局の現状や課題に応じて薬局全体の業務効率がアップするようなシステムを導入しましょう。
まとめ
薬局では薬剤師が働いていますが、薬剤師だけが働いているのではありません。事務員や補助員といった職員も働いています。薬剤師は今後薬中心の業務から患者さん中心の業務を行うことで、薬局はかかりつけ薬局として機能することが求められています。
薬剤師が患者さんとの対人業務に集中できるよう、薬剤以外の職員が働きやすい職場を整えることも薬局の課題です。薬剤師の負担を減らし、薬剤師以外の職員が作業しやすくするにはさまざまなシステムを導入することで作業効率をアップしたりヒューマンエラーを減らしたりするとよいでしょう。
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