近年、日本では薬剤師の人数は増加傾向にあるものの、現場の薬局では依然として人手不足が課題となっています。限られた人数で業務を回すケースも多く、その背景には複数の要因が存在します。本記事では薬局が人手不足におちいる主な理由と、解消に向けた具体的な対策について解説するので、ぜひ参考にしてください。
薬局の人手不足に関する真相
一見すると、薬局で働く薬剤師の数は増加しており、人手は足りているようにも見えます。実際、1990年には約4万8,000人だった薬局で働く薬剤師は、2018年には約18万人まで増加しました。医療施設で働く薬剤師も同様に増えており、薬剤師全体の人数は1990年から2018年にかけて約2倍に増加しています。このように、数字上では人材は充足しているように見えるものの、現場では人手不足が課題となっています。
有効求人倍率の高さが示す人手不足
薬剤師の有効求人倍率は高い水準を維持しており、2021年10月時点では1.89倍と、全職種平均の1.06倍を大きく上回っています。過去と比較するとやや低下しているものの、依然として求人が求職者を上回る状況です。このことから、薬剤師の需要は依然として高く、薬局では人材確保が難しい状況が続いているといえます。
地域差による人手不足の偏り
薬剤師不足は全国一律ではなく、地域によって大きな差があります。都市部では薬剤師数が比較的多い一方、地方では人手不足が深刻です。人口10万人あたりの薬剤師数を見ると、全国平均は約190人であるのに対し、東京都などは200人を超えています。
一方で沖縄県や福井県、青森県などは平均を大きく下回っており、地方における人手不足の深刻さが明らかです。このような地域格差も、薬局の人手不足を引き起こす大きな要因となっています。
薬剤師が不足している理由とは
日本では薬学教育が6年制に移行し、薬学部の増設も進んだことで薬剤師の数自体は増加しています。また、大手薬局チェーンやドラッグストア併設型の調剤薬局の拡大により、市場は成長を続けています。一方で、調剤報酬の減額や経営者の高齢化による後継者不足、業務内容の多様化など、薬局を取り巻く環境には多くの課題が存在しているのです。こうした要因は、結果的に人手不足を招く背景ともなっています。
潜在薬剤師の増加
薬剤師不足の要因の一つが、潜在薬剤師の存在です。潜在薬剤師とは、資格を持ちながら現場で働いていない人を指します。とくに女性の場合、結婚や出産、子育てなどのライフイベントをきっかけに離職し、その後復職しないケースも少なくありません。
復帰を希望しても、以前と同じ条件で働くことが難しい場合があり、結果として人材が現場に戻らない状況が生まれています。
薬局数の増加による需要拡大
近年は薬局の数自体が増加しており、薬剤師の需要もそれにともなって高まっています。門前薬局やドラッグストア併設型、コンビニ併設型など、店舗形態も多様化しています。こうした拡大により、薬剤師を必要とする場は増えているものの供給が追いつかず、人手不足が深刻化しています。
薬局以外で働く薬剤師の存在
薬剤師の中には、資格を持ちながら薬局以外の職種に就く人も多く存在します。製薬企業での研究開発や治験関連業務、MRなどは人気が高く、必ずしも薬局勤務が選ばれるとは限りません。また、接客業務に苦手意識を持つ人が薬局勤務を避けるケースもあり、こうした流れが薬局における人手不足の一因となっています。
薬局が人手不足を解消する方法
薬剤師の供給が需要に追いついていない現状では、薬剤師側が職場を選ぶ「売り手市場」となっています。そのため、薬局が人手不足を解消するには、単に採用活動を強化するだけでなく、待遇や労働環境を見直し、働きやすい職場づくりを進めることが重要です。薬剤師から選ばれる薬局になるためには、経営者による継続的な改善が欠かせません。
待遇・労働環境の改善
年収や福利厚生の充実は、薬剤師が職場を選ぶ際の大きな判断材料となります。また、人手不足の現場では一人ひとりの業務負担が増えやすく、長時間労働や休暇の取りづらさが離職の原因になることも少なくありません。そのため、十分な休日の確保や残業時間の削減など、無理のない働き方を実現する取り組みが求められます。
安心して働ける環境を整えることが、定着率の向上にもつながります。
ICTツールの活用による業務効率化
労働環境の改善には、ICTツールの導入も有効です。オンライン服薬指導やデータ管理の効率化により、業務負担の軽減とサービス品質の向上が期待できます。国もICT活用を推進しており、患者の服薬情報を一元的に管理し、継続的な薬学的サポートを行う体制の構築が求められています。
調剤監査システムの導入による安全性と効率の向上
さらに、調剤監査システムの活用も重要な対策の一つです。調剤ミスの防止や確認作業の効率化を図ることで、薬剤師の精神的・時間的負担を軽減できます。
ヒューマンエラーのリスクを抑えながら業務をスムーズに進められるため、少人数でも安全かつ安定した運営が可能となります。こうしたシステムの導入は、働きやすさの向上と医療の質の両立に寄与する取り組みといえるでしょう。
まとめ
薬剤師の数は増えているにもかかわらず、現場の薬局では人手不足が続いているという現状は、一見すると矛盾しているように見えます。しかし実際には、地域格差や潜在薬剤師の増加、薬局数の拡大など、複数の要因が重なり合って人手不足を引き起こしています。こうした課題を解決するためには、単なる人員確保だけでなく、働きやすい環境づくりや業務効率化への取り組みが不可欠です。待遇改善やICTツール、調剤監査システムの導入などを通じて、薬剤師が安心して働ける環境を整えることが、結果的に患者サービスの向上にもつながります。今後の薬局経営においては、人材の確保と定着を見据えた柔軟な対応がますます重要となるでしょう。
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