今回は薬歴の記載に時間がかかるのか、そして薬歴残業の原因と解決方法を紹介します。リアルタイムで患者に薬を渡す薬剤師の仕事では、時間内に薬歴が書けず、どうしても残業をおこないながら薬歴を付けなくてはならない場合もあります。なぜ薬歴残業が発生するのか、原因と薬歴残業軽減の解決方法について紹介します。
薬歴残業が発生する主な原因
薬歴残業が発生する原因はさまざまですが、代表的な例がいくつかあります。そこで、薬歴残業が発生する主な原因について紹介します。
薬歴を書くのが遅い
薬歴残業が発生する原因として、主なものとして薬歴を書くスピードが遅いという場合があげられます。本来であれば、薬を渡したあとに薬歴を書くのが理想的ですが、薬剤師はリアルタイムで患者へ薬を渡さなければならないためすぐに薬歴を書くのは実際には難しいと言えます。
現在は、薬歴残業を防ぐために薬歴の指導文をAIが選定してくれるという電子薬歴もあるので、AI搭載型の電子薬歴の利用も効果的でしょう
患者投薬数が多い
薬歴残業が発生する原因として、単純に患者投薬数が多い場合があります。病院によって患者が多く来る時間帯に波がある場合は、比較的余裕のある時間帯を選びひとりの時に集中して薬歴を記入するなどの工夫が必要でしょう。
また、特定の薬剤師にだけ仕事が偏る現象も避けなければなりません。全体的に見て薬剤師の仕事量の平準化もできるように工夫しましょう。
電子薬歴が使いにくい
電子薬歴がうまく使いこなせれば、仕事の効率化を図れるでしょう。しかし、電子薬歴自体が使いにくければ、手書きでも同じことになってしまいます。
電子薬歴はシステムによって、使用する人の使いやすさに合わせてショートカットキーをカスタマイズできたりするため、便利な機能を設定してうまく使いこなしましょう。
薬歴残業が発生しないようにする方法
薬歴残業を発生しないようにするためには、事前準備が非常に大切になります。薬歴残業が発生しないようにする方法について紹介します。
何を聞いて伝えるべきか事前に決める
患者への処方内容と過去の薬歴から、何を聞いて伝えるかを事前に決めてメモしておけば、あとは患者の答えを書くだけで完了です。事前に準備することで、薬歴記入にかける時間を大幅に短縮できるでしょう。
また、患者への質問に対してもあらかじめはい・いいえで応えられるような工夫が必要です。こうすることで、薬歴残業を大幅に短縮できるでしょう。
要点だけをメモして箇条書きで記録
患者との会話をメモする場合、要点だけを箇条書きで記録するようにしましょう。それと同時に、あとで思い出せるよう記号や箇条書きで簡潔にメモするのがコツです。
そして、電子薬歴を使用する場合は、システムを事前に設定して変換時にSと入力した時点でSEと変換できるよう単語登録しておくのがおすすめです。
電子薬歴の書き方を工夫する
電子薬歴を使用するのであれば、電子薬歴の機能をフルに活用できるようにしましょう。例えば、入力時の誤変換の修正に手間取っているのであれば、単語変換能力が高い電子薬歴を使用するのがおすすめです。
薬局で電子薬歴を使用する場合は、通常のパソコンで園門用語をスムーズに単語変換できない場合もあるため、医学辞書を搭載したものを使うと良いでしょう。
電子薬歴を活用することで残業時間削減が可能
現代の電子薬歴は、多くの機能が搭載されており、うまく活用することで残業を減らせるでしょう。どのように、電子薬歴を活用することで残業時間を削減できるのか紹介します。
使いやすさと入力のしやすさに重点をおく
業務の効率化を図るのであれば、薬剤師にとって使いやすさと入力のしやすさに重点をおきましょう。電子薬歴の中には入力サポートが搭載されているものがあり、数万点以上の指導例文をクリックするだけで入力できるものもあります。
また、音声入力で薬歴作成をサポートする電子薬歴も存在します。キーボード入力になれていない薬剤師であれば、音声入力機能を搭載したものを選ぶのも、ひとつの有効な手段です。
電子薬歴の機能を十分に使いこなす
電子薬歴の中には、処方データや過去の処方履歴から指導内容をピックアップしてくれるものも存在します。
おこなった指導内容をクリックするだけで薬歴へ反映してくれるものもあるため、こうした機能をうまく活用すれば薬歴残業をなくすことも可能でしょう。薬歴残業をなくせることで、新人薬剤師の服薬指導も強化できます。
時短グッズも併用
電子薬歴の使用と、時短グッズを併用することでもっと薬歴残業を減らせるでしょう。たとえば、時短グッズには散剤の大袋にフタを取り付けて容器のように使える商品や、液剤・散剤棚に処方箋を貼ったり外したりするジェルシートがあります。
現場での作業の合理化は調剤業務のミス防止につながるほか、業務負担の軽減にもなるためおすすめです。自分が働く施設によって、どの電子薬歴が合うかどうか見極めて導入を検討し、時短グッズと併用するとよりよいでしょう。
まとめ
本記事では、薬歴残業がなぜ発生するのか、そしてその薬歴残業の原因と解決方法を紹介しました。多くの薬剤師は薬を処方しながら薬歴残業をおこなっています。できるだけ、薬歴残業を軽減しつつ調剤業務のミスを防止して薬を患者へ届けることが使命と考える薬剤師も多いでしょう。
現在は、電子薬歴も多くの病院や薬局で使用されているため、うまく活用することで薬歴残業を減らせると言えます。電子薬歴の機能をうまく使いながら、さらに時短グッズを併用してr作業の効率化をはかるとより効率化が図れます。本記事が、薬歴残業に関して詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。
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