以前は病院で薬を処方されることが多々ありましたが、近年は調剤薬局に行って薬を受け取る場合が多くなっています。医者は診療、薬剤師は薬の処方を行う医薬分業が進み薬局で薬を受け取るのが当たり前になってきたのです。そのため薬局の数は増えていますが利用する患者さんの数も多いため薬局での業務の効率化を考えなくてはなりません。
薬局が抱える課題と現状
近年の薬局が抱える課題と現状はどのようなものでしょうか。今後の薬局業務をよくしていきたいと考えている方は参考にしてみてください。
調剤報酬額の改定に応じた業務を行う必要がある
調剤報酬額は2年に1回見直しがなされ、薬局にとってプラス要素となることもあればマイナス要素になることもあります。
調剤報酬の改定で厚生労働省が定める指針をふまえて患者さんへの対応方法を考えたり新しい設備導入を考えたりしなければならず、経営戦略が調剤報酬改定によって左右されるという課題があります。
薬剤師不足
近年、高齢化社会が進んでいるため薬剤師の仕事は薬局だけでなく在宅診療や健康相談などの場でも薬剤師の需要が増えています。そのため薬局以外の就業の選択肢が増えていることから薬局での慢性的な薬剤師不足があります。
また薬剤師は男女比が約4対6となっており、女性の多い職業です。女性は出産を機に育児休暇に入ったり退職したりするため薬剤師不足になりやすく、薬局を女性が働きやすい場所にするというのも大きな課題のひとつです。
薬剤師に求められるものの変化
薬剤師というと調剤業務や処方箋の受付など対物業務がいままで中心的となっていました。しかし厚生労働省が2015年に示した「患者のための薬局ビジョン」によると、薬剤師の求められる業務は患者さんへの服薬指導や処方箋のチェックなど患者さん中心の対人業務へと変化していっています。
患者さんには病院の近くの薬局で薬を処方してもらうのではなくかかりつけ薬局で薬を処方してもらうことにより、同じ薬剤師や薬局が継続して患者さんをフォローしていく流れが重要視されるようになってきています。
また近年は新型コロナウイルス感染症の影響もありオンライン診療も普及してきたため、時代に合わせて薬局や薬剤師も患者さんへの対応方法を変えていかなくてはなりません。
薬局業務を効率化する方法
薬局業務の効率化で薬剤師や事務員の負担が減ったり患者さんを待たせる時間を少なくしたりといった効果が期待できるでしょう。ではどのように業務を効率化する方法があるのでしょうか。
現状を分析する
業務を効率化しようと思ったら、まずどんな業務にどれだけの時間がかかっているのかを把握する必要があります。
タイムスタディといって作業内容ごとにどれくらい時間がかかっているかストップウォッチなどで測り現状を分析する方法です。人によって作業にかかる時間差が大きい、時間がかかっている作業はどれかなどを発見し、はやく動けている人のやり方を全体で共有しましょう。
また時間がかかっている作業にむだなところはないかチェックすることで、全体的な効率化を目指せるでしょう。
薬剤師以外の職員を活用する
薬局では薬剤師だけでなく事務員や調剤補助員などが雇用されている場合が多いです。2019年には「調剤業務のあり方について」という通知により、薬剤師以外が条件を満たせば調剤業務の一部を実施してもよいというガイドラインが示されました。
そのため調剤業務の一部を薬剤師以外が行うほか、調剤業務以外でもさまざまなところで活躍できます。薬剤師以外の職員の有効活用で薬剤師は患者さんとの対人業務を増やすなど効率よく業務がまわるようになるでしょう。
薬局業務を効率化に役立つツール
薬局では毎日たくさんの薬剤を取り扱っているので、便利なツールの導入で飛躍的に作業効率を上げることができます。作業効率が悪い場合は導入を検討してみてもよいのではないでしょうか。
電子薬剤服用歴を導入する
紙で薬歴管理をしている場合、患者さんの情報を探すのに時間がかかりますが、パソコンならすぐに検索して見つけられます。
またデータ化してあれば薬局間で共有できるため、グループ間ですぐに情報を共有できるというメリットがあります。問診票を記述する手間が省けたり紙の紛失の危険性が少なくなったりといったメリットもあるため、データの電子化で薬局業務の効率化につながるでしょう。
管理システムの導入
薬局ではさまざまなものを管理していますが、管理システムの導入で業務の効率化につながります。
在庫管理システムや調剤監査支援システム、オンライン面談システムの導入など、さまざまな種類のシステムがあります。現状の薬局の課題を把握し、適切に解決できるようなシステムを導入することで業務効率化を目指しましょう。
まとめ
厚生労働省の指針によると、2025年までに薬局をかかりつけ薬局にすることで患者さんの継続的な対応や細かな服薬指導、健康サポートなどを行うことを目指しています。薬局は調剤報酬の改定や厚生労働省の指針などにより業務を柔軟に変化させていく必要があります。
薬剤師が患者さんへのきめこまやかな対人業務ができるよう、効率よく薬を管理できるシステムや薬剤師以外の職員が作業しやすいシステムを導入したりして薬局全体の業務の効率化を目指しましょう。
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