今回は、新人薬剤師の服薬指導はどう教えるべきかと、新人薬剤師への教育のコツとお役立ちツールを紹介します。これから、新年度を迎えるにあたり、薬局などでは新人薬剤師を迎え入れるところも多いでしょう。本記事では、新人薬剤師の服薬指導についてどのように教えるべきか、コツやお役立ちツールについて紹介します。
服薬指導をする上で必要な知識
新人薬剤師のスキルアップは、薬局の未来にもかかわる大切な事柄です。服薬指導をおこなう上で必要な知識について紹介します。
薬の名称・効能や効果について
薬の名称は薬の基本となる事柄であり、薬の名称を押さえておかなければ次のステップに進めないほど重要です。
まずは、ジェネリック医薬品も含めて、一般名とブランド名を覚えてもらうようにしましょう。また、薬の名称とともに効能や効果に関しても、同時に覚えてもらうようにすることが基本です。
薬の用法・用量や副作用に関して
薬の用法・容量に関しても名称と同じく早期に覚えてもらいたい事柄です。
また、患者だけではなく薬剤師も医療従事者と同様に、薬の副作用について知っておく必要があります。飲み忘れてしまった場合の対処法に関しても知っておくと便利です。
患者に対して飲み忘れを防ぐためのアドバイスができれば、新人薬剤師へ教えておくとよいと言えます。
副作用が起きた場合・飲み終えた薬について・飲み合わせについて
万が一、薬を服用して副作用が起きた時の対処法を患者へ伝えるように指導しましょう。また、飲み終えたあとの薬に関して、知らずにそのまま放置してしまう患者も多いのは注意が必要な点です。
薬が余った場合、どのようにすべきか患者へ伝えられるよう指導するとよいでしょう。ほかの薬を服用している患者も多いため、薬の飲み合わせに関しても新人薬剤師に指導すると安心です。
新人薬剤師に教えたい服薬指導のコツ
服薬指導をおこなう場合、自分が知っている服薬指導上のポイントを、きちんと新人薬局師へ伝える必要があります。新人薬剤師に教えたい服薬指導のポイントやコツについて紹介します。
一方的に話さず患者の立場に寄り添う
新人薬局師に多く見られるのが、一方的に患者へ薬に関する事柄を話してしまうパターンです。大切なことは患者の話をしっかり聞いてから、患者の話にこたえるというスタンスです。薬剤師側からの一方的な会話にならないようしっかり指導をおこないましょう。
また、患者の中には耳が聞こえにくい方や、体が不自由な方もいます。患者の様子を観察しながら積極的な声掛けをおこない、患者に少しでも寄り添って薬の話ができるように指導をおこなうと良いでしょう。
一度ですべて説明する必要はない
また新人薬剤師に見られがちなのは、一度ですべて薬の説明をしようとするパターンです。特に、高齢の患者は一度にたくさんの説明をしてしまうと、混乱を招いてしまうケースがあります。
薬の説明をする場合は、重要なことを中心に伝え、次回の服薬指導でおさらいしながら新しい情報を加えるなどの工夫をすると良いでしょう。
子どもや高齢者に合わせた説明をおこなう
子どもへ薬を出す場合、保護者が代わりに説明を聞く場合がほとんどでしょう。中には、服薬を不安に感じている保護者もいる場合もあるため、患者の保護者が持つ不安を取り除きながら薬の説明をおこなう必要があります。
また、目が見えにくい高齢者のために、薬袋の文字を大きくするなどの工夫をすると良いでしょう。患者に必要な情報が伝わるよう、状況に合わせてしっかり服薬指導をおこなうことが大切です。
外国人の患者対応の注意点とお役立ちツール
現在、インバウンドの影響で海外から多くの外国人が訪れています。これにともない、病院にかかり薬局へ来る外国人も増えています。外国人の患者対応の注意点とお役立ちツールについて紹介します。
英語をあらかじめ習得しておく
英語で対応をおこなう場合、日常会話レベルの英語力と使用頻度の高い医療用語の知識が必要となります。これらの英会話を習得するには、英会話スクールやイーランニングなどを活用することが必要でしょう。
また、英会話スクールの中には、薬剤師や医療関係者向けのカリキュラムを用意しているところもあるため、カリキュラムが用意されたスクールをうまく活用するとよいでしょう。
外国人に対応するためのツール
現在、インターネットの普及から、英会話に役立つツールが多く見られます。薬剤師会のホームページによっては、薬局やドラッグストア向けに外国人の応対ツール集が公開されています。
英会話に役立つツールをあらかじめダウンロードしておけば、慌てることなく外国人の患者に対応できるでしょう。
薬局で使える英会話を覚えておく
英語のスキルを身に着けるのには時間が掛かるので、まずは薬局で使える英会話を身につけておくとよいでしょう。たとえば、処方箋はお持ちですか、今日はどうされましたかといった簡単な英会話を覚えておくと焦らず外国人の患者にも対応できるでしょう。
まとめ
本記事では、新人薬剤師の服薬指導はどう行うべきか、そして教育のコツとお役立ちツールを紹介しました。服薬指導の際には、患者への寄り添い方や効果的な説明法についても伝えておくと、新人薬剤師の今後の業務の助けになるでしょう。
さらにインバウンドの影響もあり、外国人が多く日本を訪れるようになりました。普段から、新人の服薬指導とともに外国人の患者にも対応できる英会話スキルを身に着けるようアドバイスしておくと、新人薬剤師もスムーズに対応できるでしょう。本記事が、服薬指導について詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。
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