調剤薬局において、調剤過誤を防止するための監査業務は、患者の安全を守るうえで欠かせない重要な工程です。ただ一方で、目視による監査には時間や集中力が必要となり、人的負担やヒューマンエラーのリスクも課題となっています。
こうした課題の解決策として注目されているのが、据え置き型の調剤監査システムです。
バーコードや画像認識、重量測定などの技術を活用し、薬剤の種類や数量を自動で確認することで、監査業務の効率化と精度向上を支援します。また、監査記録を保存できる製品も多く、問い合わせ対応や監査履歴の管理にも役立ちます。
今回この記事では、据え置き型調剤監査システムとして注目されている3製品を比較し、それぞれの特徴や強みを紹介します。導入を検討されている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
C-Correct Ⅱ/株式会社トーショー
C-Correct Ⅱ/株式会社トーショーの基本情報
| 会社名 | 株式会社トーショー |
| 住所 | 東京都大田区東糀谷3-8-8 |
| 電話番号 | - |
C-Correct Ⅱは、PTPシートを対象にバーコードと重量情報を活用した監査を行う据え置き型調剤監査システムです。薬剤の種類と数量を確認することで監査業務を支援し、薬局における安全性と業務効率の向上に貢献します。
GS1バーコードを活用した薬剤照合
C-Correct Ⅱでは、薬品包装単位に付与されたGS1バーコードを読み取り、処方情報との照合を行います。GS1コードから取得した薬品コードと処方データ内の薬品コードを比較することで、調剤した薬剤が処方内容と一致しているかを確認できます。
薬剤の取り違えは患者の安全に直結するため、システムによる客観的な確認を行える点は大きな特徴です。監査工程にバーコード照合を取り入れることで、薬剤師による確認作業を支援し、調剤監査の精度向上につなげています。
重量情報を活用した数量チェック
薬剤監査では、薬剤の種類だけでなく数量が正しいかどうかを確認することも重要です。C-Correct Ⅱは電子天秤を活用し、薬剤ごとに登録された重量情報と実際の重量を照合することで数量チェックを行います。
目視による確認だけでは見落としが発生する可能性がありますが、重量情報を活用することで客観的な確認が可能になります。種類確認と数量確認を組み合わせることで、調剤監査の安全性向上を支援できる点が特徴です。
監査履歴の保存による確認業務の効率化
C-Correct Ⅱは監査結果を履歴として保存できるため、後日確認が必要になった際にも活用できます。監査内容を記録として残せることで、問い合わせ対応や監査状況の確認を行いやすくなります。
また、オプション機能によって薬剤画像の保存にも対応しており、監査時の状況を振り返ることが可能です。調剤監査の記録を適切に管理できる環境を整えることで、薬局における監査体制の強化や業務の効率化に役立ちます。
audit/株式会社コンテック
audit/株式会社コンテックの基本情報
| 会社名 | 株式会社コンテック |
| 住所 | 大阪市西淀川区姫里3-9-31 |
| 電話番号 | 06-6472-7130 |
監査精度と業務効率の両立を目指す薬局から注目されているのがauditです。AI画像認識技術を活用し、薬剤の種類と数量を自動的に判定する仕組みを備えています。
薬剤師が行う監査業務の負担軽減を支援するとともに、患者対応や服薬指導などの対人業務へ時間を振り向けやすくすることを目的としたシステムです。
AI画像認識による高精度な監査
auditの特徴は、AI画像認識技術を活用した監査方式にあります。監査対象となる薬剤の画像を解析し、薬剤の外観や形状、刻印などの情報をもとに判定を行います。
従来の目視監査では確認に時間がかかるケースでも、システムが客観的な視点でチェックを実施するため、監査の効率化につながります。
また、画像認識だけでなくバーコードや重量情報も組み合わせることで、監査精度の向上を図っています。複数の情報を総合的に活用することで、薬剤の取り違えや数量ミスを早期に発見しやすくなります。
種類と数量を同時確認できる業務効率
薬局業務では、監査工程が混雑すると患者の待ち時間増加につながる場合があります。auditは薬剤をセットするだけで種類と数量を同時に確認できるため、監査工程の効率化を支援します。
従来は種類確認と数量確認を別々に実施していた薬局でも、工程の簡略化によって業務負担を軽減できる可能性があります。また、監査時間の短縮によって繁忙時間帯の業務集中を緩和しやすくなることも期待されます。
薬剤師が監査に費やす時間を削減できれば、服薬指導や在宅業務など患者と向き合う業務に時間を充てやすくなるでしょう。
データ活用による薬局運営の最適化
auditでは監査結果を自動保存できるため、調剤履歴の管理や問い合わせ対応にも役立ちます。監査記録を確認できる環境を整えることで、患者対応の迅速化や説明責任の強化につながります。
さらに、監査データを蓄積することで薬局内の業務分析にも活用できます。どの工程で確認作業が多いのか、どのような薬剤で監査時間がかかるのかといった傾向を把握することで、業務改善の検討材料として活用可能です。
単なる監査機器としてだけでなく、薬局全体の生産性向上を支援するシステムとして導入を検討しやすい製品といえるでしょう。
PROOFIT 1D Ⅱ/富士フイルム
PROOFIT 1D Ⅱ/富士フイルムの基本情報
| 会社名 | 富士フイルム株式会社 |
| 住所 | [東京ミッドタウン本社]〒107-0052東京都港区赤坂9-7-3 [西麻布本社]東京都港区西麻布2-26-30 |
| 電話番号 | [東京ミッドタウン本社]03-6271-3111 [西麻布本社]03-3406-2111 |
高齢化の進展や在宅医療の拡大に伴い、一包化処方の需要は年々高まっています。PROOFIT 1D Ⅱは、一包化監査を支援するシステムとして開発されており、画像認識技術を活用しながら監査業務の効率化をサポートします。
一包化処方を多く取り扱う薬局にとって、業務負担軽減と監査業務の支援を両立できる製品です。
一包化監査に特化したシステム設計
PROOFIT 1D Ⅱは、一包化された薬剤の監査を支援することに特化したシステムです。一般的な調剤監査とは異なり、一包化された状態の薬剤を確認できるため、一包化調剤が多い薬局の運用に適しています。
患者ごとに複数の薬剤をまとめて調剤するケースでも、一包ごとの内容を確認できる仕組みを備えており、監査工程をサポートします。一包化処方への対応強化を図りたい薬局にとって、導入を検討しやすい製品といえるでしょう。
画像認識技術を活用した監査支援
PROOFIT 1D Ⅱでは、富士フイルムが培ってきた画像認識技術を活用しています。一包化された薬剤を撮影し、システムが画像情報をもとに確認を行うことで、薬剤師による監査業務を支援します。
目視による確認作業だけに頼るのではなく「刻印強調機能」や、薬剤が重なったり偏ったりしている状態を整えやすくし、画像認識の精度向上をサポートする「ならし強化モード」などシステムによる判定を活用することで、監査工程の効率化につなげられる点が特徴です。
一包化薬を対象とした確認作業を支援することで、薬剤師が日常業務をよりスムーズに進められる環境づくりにも役立ちます。
一包化薬の確認業務を効率化
一包化処方では、薬剤の種類や組み合わせを確認するために一定の時間が必要となります。PROOFIT 1D Ⅱは、一包化された薬剤の確認業務を支援することで、監査工程の効率化を図れる点が特徴です。
システムを活用することで、一包化監査にかかる作業負担の軽減が期待できるほか、日々の監査業務を円滑に進めやすくなります。
とくにPROOFIT 1D ⅡにはAI技術が活用されており、画像認識による監査を支援しています。薬剤の特徴を学習したAIが確認作業をサポートすることで、一包化監査の効率化につながります。
さらに、読み取り速度の向上も図られており、多くの一包化薬を扱う現場でもスムーズな監査業務を支援します。監査に要する時間の短縮が期待できるため、繁忙時間帯の業務負担軽減や、薬剤師が服薬指導などの対人業務へ時間を確保しやすくなる点もメリットといえるでしょう。
まとめ
調剤監査システムは、薬剤の取り違えや数量違いといった調剤過誤の防止を支援し、薬剤師の業務負担軽減にも貢献する重要な設備です。今回紹介した3製品は、それぞれ異なる特徴を持っています。
C-Correct Ⅱは、バーコードと重量測定によるシンプルな監査方式に加え、散薬や外用薬にも対応できる汎用性が魅力です。auditはAI画像認識を活用し、種類と数量を同時に監査できる効率性が強みといえるでしょう。PROOFIT 1D Ⅱは、一包化監査に特化しており、一包化処方が多い薬局や医療機関に適しています。
導入を検討する際は、監査対象となる剤形や処方内容、店舗規模、業務フローなどを踏まえて比較することが大切です。
自局の運用に適したシステムを選定することで、監査品質の向上だけでなく、薬剤師が患者対応や服薬指導などの対人業務へより多くの時間を確保できる環境づくりにつながるでしょう。